うしろむき夕食店

今日は、冬森灯さんの『うしろむき夕食店』です。表紙からして美味しそう。ネガティブなタイトルですが、そうではありません。それぞれがこの店に出会い後ろむき、ではなく前を向いていくほっこり。ほっこり。

こまどりたちが歌うなら

今日は、寺地はるなさんの『こまどりたちが歌うなら』です。表紙の和菓子が美味しそうです。古い体質の和菓子屋さんに就職した女の子の話なんですが、改革してステキなお店に!ということではないんです。そう簡単にはいきません。そりゃあ、そうです。人間そう簡単には変わりません。

〈たいじょうぶって訊く時は相手の返事をあんまり信用したらあかんし、だいじょうぶって答える時は、ほんまにだいじょうぶな時だけにせなあかん。〉

だいじょうぶ?って簡単に訊くなぁ。違う訊ね方しないとね。

みつばの泉ちゃん

今日は、小野寺史宜さんの『みつばの泉ちゃん』です。タイトルからして好きな『みつばの郵便屋さん』の番外編と思っていましたが、ハイ、間違いなく。最初、9歳の女の子として登場したので誰のことかわからなかったのですが、あー、あー、あの泉さんね。アパートの階段で郵便屋さんとアイスクリーム食べた人ね、と。

『みつばの郵便屋さん』に出てくる泉さんは表裏のない気立てのいい、でもちょっと変わった脇役の女の子だったんですが、その泉さんの9歳から33歳までが描かれています。とても丁寧に。小野寺先生の、泉さんへの愛が感じられます。私もすごく好きになりました。そしてちょっと嫌なヤツである元カレも、ちゃんと描かれてました。あ、結構いいひとだったんだ。

また番外編が出るといいなぁ。

よっつ屋根の下

今日は、大崎梢さんの『よっつ屋根の下』です。

ひとつ屋根の下、ではなく、よっつ屋根の下です。両親と兄妹の家族のそれぞれから見た10年間が描かれています。どの人にも自分に置き換えては読めないのに、ひとりひとりいろんな感情を持って生きていて心動かされます。4人がそれぞれ真面目に誠実に生きています。それでもすれ違う。

「私だって、お腹ん中は真っ白じゃない。みんながみんな年相応の分別を持っていたら、この世に争いなんか起きないのよ」ホントに。でも年相応の分別は持ちたいと思ってます。

とても好きな本で、購入しようとしたら、なんと、出来ませんでした。絶版なの?重版しないってこと?こんな素敵な物語なのに?

眠れぬ夜のご褒美

今日は、アンソロジー『眠れぬ夜のご褒美』です。近藤先生が書いてらっしゃるし、表紙をみただけでよだれが出そうですよね。ですが、〈眠れぬ夜の〉ですヨ。ちょっと不穏です。

近藤先生を除いて(私には別格ですので)、今回初めましての八木沢里志さんの『ペンション・ワケアッテの夜食』が良かったです。私もタクシーの運転手さんにダマされましたよ。最後までワケアッテ=訳あって、だと。面白かったです。そして全編お腹空きます。ぐぅ。

本バスめぐりん。

今日は、大崎梢さんの『本バスめぐりん。』です。本が好き。なので本屋さんも好き。当然、図書館も大好きです。大崎さんは元書店員ということで本にまつわる物語をたくさん出されています。

とくにコレ。舞台は種川市の移動図書館。その周りで起きるちょっとしたミステリー。再読ですが、初めて読んだときに移動図書館を知りました。いや、知ってはいたけど、すごい田舎の町に走ってるイメージだったんですが、なんと我が街にも走っていました。歳を取って図書館に通えなくなったら、利用したいです。それまで頑張ってほしい。(他人事かー)

続編も出てます。まとめてお迎えしなくては。

最後の晩ごはん

今日は、椹野道流さんの『最後の晩ごはん』です。正確にいうと、第9弾の『海の花火とかき氷』です。図書館ではなかなかの人気で、順番通りには読めてないのですが、順番通りでなくても、面白いです。もちろん美味しいものが盛りだくさん。眼鏡が付喪神となって、主人公を支えるなんて!怪奇譚ですね。

椹野さんを知ったのは、1年ちょっと前。Xで、保護猫をアップしていらして、ちょうどその頃、また子猫を保護されて。フォローして読んでいたら、医師免許をお持ちで、学校で教えてらして、その上小説も書いてらっしゃる!と知りました。なんてすごい人なんだ!

その後出版された『祖母姫、ロンドンへ行く!』はとても楽しい本でした。しばらくスコーンにハマったほど。(笑) すごく多くの読者さんのスコーン画像が今もなお楽しめます。

まずはこれ食べて

今日は、原田ひ香さんの『まずはこれ食べて』です。

このタイトルで、この表紙、美味しいものがたくさん出てくるほっこりしたお話だろうと思いますよね。ところが、これがなかなかの人間模様で、深いです。

もちろん、美味しいものはたくさん出てきます。それは期待通り。はぁー、私も誰かに「まずはこれ食べて」と言ってほしい!

戸村飯店青春100連発

今日は、瀬尾まいこさんの『戸村飯店青春100連発』です。

もう、これでもかーという青春。青い!楽しい!私だって青春モノも読みます。でもなんでもいいってわけではなくて、瀬尾さんだからこそ、ですね。しかも、関西弁全開。コテコテ。だからこそ、余計に面白い。スルッと入る。

年子で見た目も性格も全く違う兄弟の、笑える青春小説です。

モップの精は旅に出る

今日は、近藤史恵さんの『モップの精は旅に出る』です。大好きなシリーズです。ですが、旅に出てしまいました。帰ってきたけど。シリーズは終わってしまいました。寂しい。。。

若くて可愛くて、すんごいオシャレな清掃人・キリコが、裏でお掃除しているからこそわかる謎を解いていきます。ちょっと奇抜なオシャレな恰好でお掃除しているのを、突然目の当たりにする登場人物が毎回、ぎょっと驚くところがお楽しみです。

きっと今もどこかで、深夜のお掃除に励んでるキリコちゃん、元気かなー。

表紙がとってもかわいい。