声の在りか

今日は、寺地はるなさんの『声の在りか』です。一気に読んでしまいました。が、うぅぅぅ…重いです。重い。

〈誰かになにか想定外のことを言われた時、とっさに言葉を返すことができない。何日も考えてようやく「ああ言ってやればよかった」という言葉を見つけ出す。見つけた頃には、相手はもう自分が言ったことを忘れている。〉ものすごくわかる。私もそうだから。声、とは自分の言葉。すぐに出なくても大切にしたい。

こまどりたちが歌うなら

今日は、寺地はるなさんの『こまどりたちが歌うなら』です。表紙の和菓子が美味しそうです。古い体質の和菓子屋さんに就職した女の子の話なんですが、改革してステキなお店に!ということではないんです。そう簡単にはいきません。そりゃあ、そうです。人間そう簡単には変わりません。

〈たいじょうぶって訊く時は相手の返事をあんまり信用したらあかんし、だいじょうぶって答える時は、ほんまにだいじょうぶな時だけにせなあかん。〉

だいじょうぶ?って簡単に訊くなぁ。違う訊ね方しないとね。

夜が暗いとはかぎらない

今日は、寺地はるなさん『夜が暗いとはかぎらない』です。再読です。

なんか好きなんです。なら、買いなさいよ。ごもっとも。

読み始めは気持ちがざわざわするんです。少し疲れたひとたちのエピソードが続いてつながって、ざわざわ。でも狭い町のお話なので、登場人物がたくさんいて繋がって。ともすれば忘れがちな、いろんな人がいて、いろんな生き方があるということを思い出させてくれます。

そうして最後には、ホッと息がつける、そんな物語です。