三兄弟の僕らは

今日は、小路幸也さんの『三兄弟の僕らは』です。

あらすじとしては、両親を事故で一度に亡くし、父親の隠し子が発覚・・・というなかなかハードなお話なんです。ですが、そこは小路幸也さんです。こんなにほっこりさせる?(笑)

そのギャップが小路幸也さんの魅力です。

舟を編む

今日は、三浦しをんさんの『舟を編む』です。本屋大賞受賞作で映画化もされ、ドラマ化もされましたね。見てないんですけど。

お仕事小説大好きなんですけど、これは全く知らない世界でした。辞書を作る編集部の物語です。辞書は学生のときはお世話になりましたが、ネットで調べるようになってからは遠くなりました。社会には人知れず努力や研究をされている方々がたくさんいらっしゃいますね。新たに辞書を作るということがこんなに長い年月と細かな作業が必要だとは、この物語を読まなければ一生知ることはなかったように思います。気が遠くなるようなお仕事です。良かったです。

ガリレオvs.メタルの魔術師

今日は、東野圭吾さんの『ガリレオvs.メタルの魔術師』です。読んでないかも?と思って借りましたが、ジュニア版でした。忘れているストーリーもあったので良かったです。

表紙からして、若い方向けに編集された作品ですね。(笑) 私の中では、というより読者の中ではもう完全に、ガリレオは福山雅治さんですね!

喫茶おじさん

今日は、原田ひ香さんの『喫茶おじさん』です。妻に出ていかれ、無職なのに喫茶店を何軒もはしごする会社を早期退職したおじさんのお話です。

妻にも娘にも友人にも元従業員にも、「自分のこと、本当にわかってないのねぇ」と言われます。そんなに言われるのですから、最後には、やっとわかった!これからは気持ちを入れ替える!となると思いきや、なんだかのんびり終わります。ちょっと、いやだいぶマイペースな主人公ではありますが、離婚したい妻の言い分ももう少し聞いてみたかったです。

ともかく純喫茶めぐりが趣味ですから、美味しい飲み物と美味しそうな食べ物がたっくさん出てきます。

夢幻花

今日は、東野圭吾さんの『夢幻花』です。東野圭吾さんの作品で一番好きな小説です。

いとこが事故死し祖父が殺された女子大生と、家族に違和感を抱く大学院生が謎を解いてゆく極上のミステリです。黄色いアサガオの秘密も追いかけます。

でも私が何度も読み返すのは、「世の中には負の遺産というのもあるのよ、(中略)それが頬放っておけば消えてなくなるものなら、そのままにしておけばいい。でもそうならないなら、誰かが引き受けなければいけないでしょ?」という主人公の初恋の人のセリフです。主人公の大学院生は原子力の研究をしていましたが、東日本大震災が起き進路に悩みます。しかし初恋の人の言葉を聞いて彼も負の遺産を引き受ける覚悟をします。私も当時北関東に住んでいましたので他人事ではありませんでした。私はどちらかと言えば原発に反対ですが、続けるにしても廃炉にするにしても、関わり続ける人たちは要るのだということを気づかされました。

和菓子のアン

今日は、坂木司さんの『和菓子のアン』です。主人公のアンちゃんがとっても可愛いんです。和菓子屋のアルバイトで、食べることが大好きなぽっちゃりさん。周りのひとたちに愛されてて、ほっぺをムニムニされたりします。デパ地下にあるお店なのでデパート情報も満載。身近な謎を解いていきます。続く『アンと青春』では少し成長したアンちゃんが描かれています。

アンシリーズを読むと、絶対和菓子が食べたくななります。それも上生菓子。奥が深いですねー、和菓子は。でもなかなか上生菓子を売っているお店が近くにないんです。1個とか買えるのかしら。

うしろむき夕食店

今日は、冬森灯さんの『うしろむき夕食店』です。表紙からして美味しそう。ネガティブなタイトルですが、そうではありません。それぞれがこの店に出会い後ろむき、ではなく前を向いていくほっこり。ほっこり。

こまどりたちが歌うなら

今日は、寺地はるなさんの『こまどりたちが歌うなら』です。表紙の和菓子が美味しそうです。古い体質の和菓子屋さんに就職した女の子の話なんですが、改革してステキなお店に!ということではないんです。そう簡単にはいきません。そりゃあ、そうです。人間そう簡単には変わりません。

〈たいじょうぶって訊く時は相手の返事をあんまり信用したらあかんし、だいじょうぶって答える時は、ほんまにだいじょうぶな時だけにせなあかん。〉

だいじょうぶ?って簡単に訊くなぁ。違う訊ね方しないとね。

みつばの泉ちゃん

今日は、小野寺史宜さんの『みつばの泉ちゃん』です。タイトルからして好きな『みつばの郵便屋さん』の番外編と思っていましたが、ハイ、間違いなく。最初、9歳の女の子として登場したので誰のことかわからなかったのですが、あー、あー、あの泉さんね。アパートの階段で郵便屋さんとアイスクリーム食べた人ね、と。

『みつばの郵便屋さん』に出てくる泉さんは表裏のない気立てのいい、でもちょっと変わった脇役の女の子だったんですが、その泉さんの9歳から33歳までが描かれています。とても丁寧に。小野寺先生の、泉さんへの愛が感じられます。私もすごく好きになりました。そしてちょっと嫌なヤツである元カレも、ちゃんと描かれてました。あ、結構いいひとだったんだ。

また番外編が出るといいなぁ。

よっつ屋根の下

今日は、大崎梢さんの『よっつ屋根の下』です。

ひとつ屋根の下、ではなく、よっつ屋根の下です。両親と兄妹の家族のそれぞれから見た10年間が描かれています。どの人にも自分に置き換えては読めないのに、ひとりひとりいろんな感情を持って生きていて心動かされます。4人がそれぞれ真面目に誠実に生きています。それでもすれ違う。

「私だって、お腹ん中は真っ白じゃない。みんながみんな年相応の分別を持っていたら、この世に争いなんか起きないのよ」ホントに。でも年相応の分別は持ちたいと思ってます。

とても好きな本で、購入しようとしたら、なんと、出来ませんでした。絶版なの?重版しないってこと?こんな素敵な物語なのに?