夢幻花

今日は、東野圭吾さんの『夢幻花』です。東野圭吾さんの作品で一番好きな小説です。

いとこが事故死し祖父が殺された女子大生と、家族に違和感を抱く大学院生が謎を解いてゆく極上のミステリです。黄色いアサガオの秘密も追いかけます。

でも私が何度も読み返すのは、「世の中には負の遺産というのもあるのよ、(中略)それが頬放っておけば消えてなくなるものなら、そのままにしておけばいい。でもそうならないなら、誰かが引き受けなければいけないでしょ?」という主人公の初恋の人のセリフです。主人公の大学院生は原子力の研究をしていましたが、東日本大震災が起き進路に悩みます。しかし初恋の人の言葉を聞いて彼も負の遺産を引き受ける覚悟をします。私も当時北関東に住んでいましたので他人事ではありませんでした。私はどちらかと言えば原発に反対ですが、続けるにしても廃炉にするにしても、関わり続ける人たちは要るのだということを気づかされました。

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